我が家には、発達凸凹の兄と定型発達の妹(2歳下)がいます。
精神年齢が2歳くらい低いと言われていた息子は、しっかりものの妹と双子のように育ってきました。
発達障害の兄は、小学校でトラブルを起こすし、中学受験でも塾に行く、行かないであったり、ゲームをやめられなかったり、中学生になったら不登校になり、親子関係が悪化し、その過程をずっとそばで見てきた妹。
妹は兄の様子をそばで見ていただけでなく、私の対応や兄の嫌がらせに巻き込まれてきました。
ある時、私の中で「このままだったら、妹は兄のことを憎んだり、見下したり、兄妹の関係がこの先悪くなるかもしれない。兄妹の関係が悪化してほしくない」という想いがわいてきました。
障害や病気のある子どもの兄弟姉妹のことを「きょうだい児」と言います。
きょうだい児は、親がきょうだい(障害のある子)の対応に追われる中で、気をつかって我慢してしまったり、本当の気持ちが言えず自分は後回しと感じてしまうことがあるということも聞いていたので、不安になりました。
きょうだい児の妹が振り回されたこと
妹が振り回されてきた、巻き込まれてきたことはというと…
兄の塾の送り迎えで、一緒に車に妹も乗っていた。でも、気持ちの切り替えが苦手だった息子は、なかなか車から降りられず、何時間もかかってしまったことも。娘は車の中でテレビを見るか、寝る。
息子が中学生で不登校で親子バトルになっていた時は、「お母さんが僕に嫌なことをするから、妹にもする!」と言って、妹の部屋に飾ってあるぬいぐるみをめちゃくちゃに散らかしてしまったこともある。そんなことをふまえて、妹はしばらくぬいぐるみを袋に入れて飾らないようにして対策をした。
兄から離れたかった私は、妹を連れてスーパー銭湯でリフレッシュしたことも。連れまわしてしまっていた。
などなど、出かける予定が急遽変更になってしまうこともあり、後で穴埋めをしつつフォローしたり、父に対応してもらったりしながら、あっという間に数年が経った気がします。
私と外出した時は、妹が好きなものを食べたりしましたが、「あ~、お兄ちゃん、またやらかしちゃった?」と、当時は発達障害のことを知らなかった妹は、きっと私の様子に気を使っていたんだと思います。
妹の方が荒れていてもおかしくなかったかもしれません…。
母が学んで妹にも兄の特性を伝えた
息子が小さい頃は、まだ発達障害という言葉が出始めた頃で、
「こういう項目に当てはまる場合はADHDの疑いがあります」
というチェック項目はあったのですが、

じゃあ、発達凸凹の子育てについてどうすればいいの?
という情報はなく、私は遠回りしていました。
そんな中で、息子が高校生の時に発達凸凹アカデミーに出会い、私は子どもへの効果的な支援について知りました。
発達凸凹の子どもの問題行動の背景、発達凸凹の特性、効果のない支援、効果的な対応について学び、



えっ。もっと早く出会いたかった!知りたかったことばかり。
私がやってきたこと、ダメな対応じゃん。
子どもが自立するためにはこういう土台が大事なのか。
と、どの年齢でも通用する発達凸凹の子育ての軸を知って、まさにこれだ!という気持ちでした。
母である私が学んだことで、夫や妹にもダイジェストで伝え、家族で情報を共有することにしました。
発達凸凹アカデミー「効果的な支援策」のご案内
私がこの講座の資格を取得し、インストラクターとして定期的に講座を開催しています。


私一人で何とかしようと思わなくなった
ずっと、私が「この子を何とかしなくちゃ」と思っていた部分があります。だから余計に私のレールに引っ張り込もうと間違った対応をしてしまっていたんですね。
でも、発達凸凹アカデミーの効果的な支援策を学んで、大きく対応が変わりました。
中高一貫校から通信制高校へ転学する頃、息子は二次障害で無気力、引きこもり、うつのような感じだったのですが、家族で息子の好きなスマホゲームを一緒にやったり、息子の世界を共有しているうちに、閉じこもっていた殻から出始めたんです。
それからは、どんどんコミュニケーションも取って友人が増え、自分の意見も言うようになり、外へ出ていき始めました。
兄妹の仲が良好になっていった
息子は、妹に当たり散らしていた中学時代でしたが、家族で兄の世界を共有したことで、妹にも優しいお兄ちゃんになり、兄妹でディズニーやカラオケ、映画にも行くようになっていました。
高校生になった妹が言っていたことがあります。
「お兄ちゃんの頭の回転はすごいなと思う。別人みたいに優しくなったよね。」
「お兄ちゃんが荒れていた時、お母さんとのバトルを客観的に見ていて、どっちもどっちだな~と思っていた。犬が吠えまくっているみたいな感じ?」



こんな母になりたいと思わないよね
きょうだい関係に悩む声を聴いてきた
発達凸凹(発達障害やグレーゾーン)のお子さんを育てているご家庭から、よくこんなお話を伺います。
- 「兄が嫌なことばかりしてくる」
- 「自己中心的で、自分ばかりが許されていて不公平」
- 「妹がいつも我慢していて、兄と話したがらない」
- 「きょうだいでの言葉遣いがとても悪くて心配」
- 「兄と距離をとっている。家族という感じがしない」
発達障害のあるお子さんの支援や対応に気を取られるあまり、きょうだい児(定型発達の兄弟姉妹)への配慮が後回しになってしまうこと、ありますよね。
親として、兄弟姉妹の関係が悪いというのは、将来心配でもあります。
兄妹の仲が悪くならないようにやった6つのこと
- 母が発達障害の子育てについて学び、妹(中学生くらいの時)に兄の特性を「わかりやすく」伝えた
- 妹を「感情のはけ口」にしないよう意識した
- 兄だけでなく、妹との時間も意識的に作った
- 兄の世界を家族で共有する工夫をした
- 母ひとりでなんとかしようとしない。家族で支える視点をもった
- 妹が将来、兄の面倒を見ることがないように兄が自立できるように導いた
親として願うこと
私は、妹に兄の“面倒”を見てほしいとは思っていません。
妹には妹の人生があるからこそ、兄の自立は大切だと思っています。
「助け合うこと」はあっても、どちらかが犠牲になるような関係にはしてはいけない。
そう思っています。
お互いにとって、プラスの存在でいられる兄妹関係を目指す第一歩として、親が学ぶことには本当に意味があるなと感じました。
発達凸凹の子育てでどうしてよいかわからない…という方は、ぜひ「効果的な支援策」で学んでいただければと思います。

